金融商品に対する時価会計の導入

現在、企業が業務のために土地を取得した場合、貸借対照表にはその土地を取得した時の価格で計上され、いくらその土地の地価が変動しようが貸借対照表上の価格が変化することはありません。このように購入時の価格で評価するという考え方を取得原価主義と呼びます。
そして以前はこの取得原価主義により株式を代表とする金融商品については購入時の価格で評価され、株価がいくら変化しようがその影響が、その株式を保有する企業の貸借対照表に表れることはありませんでした。
しかし現在、企業が保有する株式については、子会社株式や関連会社株式を除き、原則として時価で評価されます。
これは、他の会社を支配する目的で保有する株式以外の株式については、いわゆる財テクのために保有しているのだから、常に売却可能価格で評価した方が、経済実態をより適切に財務諸表に反映させることができるという考え方に基づいており、このような考え方を時価会計と言います。
現行制度では、この時価会計に基づき決算時に企業が保有する株式については時価で評価され、取得価格と時価との差額を評価損益として損益計算書の営業外収益に計上するとともに、貸借対照表の流動資産の部に、決算時の時価で計上されています。
このことから、ある企業の株価が下がると、その影響がその企業の株を保有する別の企業に、営業外損失の発生という形で連鎖し、それが別の企業の利益の減少および株価の低下を招き、結果として不況を増幅させているという危険性も指摘されています。

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